2013年 2月 28日
国宝曜変天目対面。

二子玉川から住宅街をぬけて、のんびり歩いて15分。小春日和には良い散歩コース。
三菱財閥二代目、岩崎彌之助が創設した静嘉堂文庫美術館にたどり着きました。
今日のお目当ては国宝「曜変天目」と重文「油滴天目」。静嘉堂文庫創設120周年・美術館開館20周年記念として特別公開されているのです。
お茶の世界は縁がありませんが、「曜変天目」は知っていました。曜変天目茶碗は南宋の時代に福建省建窯で作られ、現存する完形品は世界に三椀のみ。その一つがここにあり、最高のものとされています。めったに見られるものではないので、これを機会に訪ねました。

門をくぐると、ここが二子玉川?的な風景が。

素敵な洋館です。これは美術館ではなく、静嘉堂文庫の建物(1924年築)。この向かいに近代的な美術館があります。

これです。ポスターですが。館内は撮影できないのであしからず。
掌にほっと収まる、可愛らしい大きさで、ポスターのような仰々しい感じはしません。漆黒ですが、やや青みがかっているような。
内側は、うん、確かに光の当りかたで様々な色にみえますね。綺麗だが、派手ではない。渋いな。玉虫色まではいかない。これが徳川将軍家から伝わってきたものなのですね。
当時(室町時代末)は、四椀あり、信長も所有していたそう。しかし残念ながら本能寺の変で、焼失してしまったそうな。一番の名椀で、足利義政から受け継いだもの。曜変天目は戦国大名の究極のステータスシンボルだったのかも。
油滴天目は「いぶし銀」といったところか。ちょっと、大振りで口を朝顔型に開いています。また良し。
他にも色々と名椀がありましたが、道入作の赤楽茶碗とか金地院井戸茶碗とか好みだったなあ。
原羊遊際斎作の蒔絵の茶器も素敵でした。何か蒔絵に惹かれるんですよ。
さて、美術館を出て、庭に回ってみると、

岩崎家霊廟。立派です。英国人建築家、ジョサイア・コンドル(鹿鳴館の設計者)の設計。現在も墓所として使われているそうです。

お茶の素養がないので、興味のある方だと、もっと楽しめるのでしょうね。でも、無くても結構楽しめました。
3月24日まで開催されています。オススメですよ。